インスリンの過多は大腸がんのリスクが最大3.2倍・厚生労働省研究班発表
2007年03月02日
2007年03月02日 06:30
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糖尿病患者への投与や最近ではダイエット手法の一つとして耳にする、血糖値を調整する役割を持つインスリン(インシュリン)について、【厚生労働省多目的コホート(JPHC)研究事務局】は3月1日、このインスリンの血中濃度が高くなりすぎると男性では大腸がんにかかるリスクが最大で3.2倍に高まることを研究結果として発表した(【発表リリース】)。
リリースによると今研究では40から69歳の男女4万人を対象に約10年間に渡り追跡調査を行い、インスリン分泌を反映する「C-ペプタイド」など血液検査の値と、大腸がん発生率との関係を調べた。
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インスリンは血液中の糖分を筋肉などが栄養・活動のエネルギーとして取り組むのを手助けするホルモンの一種。そのインスリン(研究ではこれを反映するC-ペプタイド)が高い場合、男性では最大3.2倍の大腸がんリスクの増大が見られた。不思議なことに女性では関連性が無かったという。また、特に大腸がんの中でも結腸がんについては3.5倍もの違いが出た。
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研究レポートでは「インスリン値が高い人は肥満や高インスリン血症、糖尿病などにかかっている可能性があり、ホルモンバランスにも問題が生じている場合がある。これらの要因も加味されて、がんが発生しやすくなるのでは」と結論付けている。女性がインスリン値と大腸がんとの間に関連性が無かったのも、「女性は肥満の割合が低かったから」などとしている(他に男女間ではインスリンを介した、肥満の大腸がんへの影響メカニズムが違うのかも、と推測している)。
これは逆に考えれば、生活習慣を改善し肥満状態から脱することで大腸がんのリスクを抑えることもできるという結論になる。インスリンの値を計測することで、大腸がんのリスクを考えることができるようになるかもしれない。
要は「肥満になると他の要素との融合技的な形で、インスリンも増加してしまい、それが複雑に絡み合って大腸がんにかかりやすくなるかも。だから肥満はヨクナイよ」ということ。メタボリックシンドロームという言葉が一般化している昨今、肥満はがんを避けたい場合にも重要な避けるべき用件であるようだ。
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