2012年6月3日日曜日

Eating Disorders


 

 

摂食障害て何ですか?

たいていの「自分なりの食べかた」をしていても、私たちは健康な状態を維持することができます。しかし、中には太ることを極端に怖がって食べ方を調節する人がいます。そのために健康を害することがあり、そうなると、摂食障害と呼ばれます。最もよくみられる二つの問題は、拒食症(神経性無食欲症)と神経性大食症です。ここではこのふたつを分けて説明していきますが、それらの徴候は、しばしば重なってみられます。

 

誰が摂食障害になりますか?

摂食障害は少女と女性のほうが、男性の10倍以上かかりやすいと言われています。10代の女子1000人のうち7人が摂食障害になります。でも、男子は1000人中1人です。

 

摂食障害の原因は何ですか?

確かなことは、まだよくわかっていません。しかし、いくつもの要因が関わっているようです。次のようなものが考えられています:

  • 社会的な圧力 – 西洋文化 – 特にメディア関係 – やせていることが理想的とされます。
  • 制御 – 体重が減ることによって気分がよくなり、自分自身をコントロールしていると思えるようになります。
  • 思春期 – 拒食症によって、身体が成熟するのと逆の変化が起こることがあります。
  • 家庭 – 食事を取ることを「拒絶」することが、自分の感情を表す唯一の方法であるかもしれません。
  • うつ状態 – むちゃ食いは、不快な気分に対処する方法として始まることがあります。
  • 低い自尊心
  • 遺伝子の影響

 


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拒食症(神経性無食欲症) – 徴候と症状

  • 自分の体重がますます気になってくる。
  • 食べることを減らす。
  • 過度の運動
  • 体重が身体にとって安全な範囲を割ったとしても、減量をやめられない。
  • たばこを吸ったりガムを噛んだりすることで低体重を維持している。
  • セックスに対する関心がなくなる。

 

女性の場合、生理が不順になったり止まることがあります。

 

男性や少年の場合、勃起や夢精なとがなくなり、睾丸が縮小します。

 

これらは、いつから始まりますか? – 通常は10代ですが、どの年代でも起こります。

 

神経性大食症 – 徴候と症状

  • 体重のことが前よりもずっと気になる。
  • むちゃ食いする。
  • 自分で誘発して嘔吐したり、下剤を使用したりする。
  • 生理が不順になり、食事の方法に罪悪感を感じるものの、正常範囲の体重を維持している。

 

これらは、いつから始まりますか? – 通常は10代半ばです。しかし、大食症であることを隠すことができるため、援助を求めるのは、たいてい、20代になってからです。

 

むちゃ食い障害

これは、最近になり認知されるようになりました。むちゃ食い障害では、食事制限とむちゃ食いはみられますが、自己誘発性嘔吐はみられません。この障害があることで苦痛に感じるものの、神経性大食症ほどは体に悪影響を及ぼしません。この障害を持つ人は、体重過多になることが多いです。

 

治療は有効ですか?

自分でできること – 大食症の人は、セラピストからの指導のもとでセルフヘルプ用のガイドを使って治療に取り組むことができます。拒食症は、通常は、外来治療やセラピストによる治療を必要とします。


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  • 規則的な食事時間を守る – 朝食、昼食、夕食をきちんと取ります。もし体重が極端に少ないようであれば、間食をとりましょう。
  • 食べたもの、考えたこと、感じたことをを日記に記録しましょう。感じたり考えたりしたことと、食べ方との間に、何か関連があるのかを見つけることができます。
  • 自分にも他の人に対しても正直でいましょう。いつも物事を成し遂げる必要はないということを自分に言い聞かせてください。時には、自分自身を楽にしてあげてください。

 

専門家による治療 – かかりつけ医から、専門のカウンセラー、精神科医、心理療法士に紹介してもらうことができます。摂食障害により身体的な問題が生じているかもしれませんし、診断のついていない医学的な問題がある可能性があります。身体的のチェックを受けるのは賢明です。

 

拒食症の治療 

精神医学的サポート – 専門家はその問題がいつ始まったか、それがどのように進んだのか、問診します。体重測定をし、体重減少の度合いによっては、身体面の診察や血液検査が必要になります。あなたが承諾すれば、問題の解決の方向を探るために、家族や友人から話を聞くこともあります。

 

心理療法やカウンセリング – 自分の考えていることや感情についてセラピストと話をします。そうすることによって、問題の始まりを理解したり、ものごとについての考え方や感じ方の一部を変えていくための手助けをしてもらえます。話題によってはつらいことかもしれませんが、よいセラピストは、あなたがつらさにうまく対処しながら問題を解決していけるように、助けてくれるでしょう。また、自己評価を高め、自尊心を立て直すのに役立ちます。

 

食べることへの指導や支援 - 健康な食事については栄養士が指導します。ビタミン剤のサプリメントをとる必要があるかもしれません。

 

入院治療 – 身体に危険なほどの低体重であったり、症状や体重の改善がみられない場合のみ、入院が治療法のひとつとして考慮されます。

 


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強制的な治療 – 摂食障害がひじょうに重症で、生命や身体機能が危機的な状態であったり、自身に関することを自分できちんと決断することができず、保護の必要があるときのみ、強制的な治療がおこなわれます。

 

治療は効果的ですか? – 半数以上の方が回復しています、もっとも、完全に回復するのには何年もかかることがあります。

 

大食症の治療

認知行動療法(Cognitive Behavioural Therapy、CBT) – CBTは、治療者と1対1でおこなうもの、自分自身で本を読みながらおこなうもの、集団でおこなうもの、コンピュータープログラムを使っておこなうものがあります。CBTにより、あなたの考えや感情と、行動との関連を見つけ出せます。

 

対人関係療法 – 通常これは、個人面談によりおこなわれます。あなたと他の人との人間関係に焦点をおいた治療法です。

 

食事のアドバイス – 絶食や自己誘発性嘔吐をせず、規則正しい食生活に戻れるように援助します。

 

薬物療法 – 抗うつ薬は、食べたいという衝動を減らします。残念ながら、他の治療法と併用しないかぎり薬の効果は長続きしません。

 

治療はどの程度効果的ですか? – 大食症を抱えている人たちのおよそ半分が回復します。ふつう、数ヶ月や何年もかかって、ゆっくり回復していきます。

 


Translated by Yuko Ajioka, Mika Yamada-Reynolds and Dr Nozomi Akanuma. March 2012.


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